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2019/06/23

Babel (Eclipse/Papyrusの日本語対応)のリリースについて

今回の Eclipse/Papyrus 2019-06 のリリースを受け、

「そいえば前の 2019-03 リリースでは日本語化の Babel は update されなかったな」
ということが気になりました。 なお、Babel については 前の記事 を参考にして下さい。

気になったので Babel の Mailing List を調べたら以下の記事を見つけました:

[babel-dev] Future Babel Release Plan

簡単に要約すると:

  • 今後のBabelのリリースは Eclipse の6月リリースと12月リリースに対応した年2回となる
  • 対応するEclipseがリリースされた後、約一ヶ月後(4週間後)に Babel はリリースされる(6月リリースでは7月末、12月リリースでは1月末)
となります。

なるほど、それで2019-03では Babel のアップデートはなかったわけです。確かに BabelのDeveloper and Nightly Buildsのサイト を確認すると 2019-06 リリース対応の Babel の準備が着々と進んでいる模様です。

この先も Papyrus + Babel の組み合わせで進めていくのであれば

6月/12月リリースのEclipseに1月遅れのBabelを適用し8月/2月に更新し使用していく
とした方が良いかもしれません。

Papyrus 4.4.0 RCP/ Linux版の起動

動作確認

リリースされた Papyrus 4.4.0 RCP / Linux 版の入手を入手し、さっそく動作させてみました。 なお最近、メインPCを Linux (Ubuntu 18.04 x86_64) にしているので、Linux版RCPでの動作確認です。

いつも通りに Papyrus のサイトから RCP版をダウンロード・展開し、普通に起動してみました。

特に問題なく起動しました。確かに 2019-06 (4.4.0) となっています。

SysML 1.6 Profile

今回のリリースの特徴は SysML 1.6 対応 とのことで通常のRCP版でも SysML1.6プロファイルがついてくるのかなと思い、普通に Papyrus プロジェクトを作成しようとしてみましたが、残念ながら選択肢に SysML 1.6 は現れませんでした。前の版までは SysML 1.4 プロファイルを適用後には、このプロジェクト作成段階で選択肢として出てくるので、どうもRCPのリリース版に直接含まれているわけではないみたいですね。

はてと思い、もしかしたら今回の Papyrus から新規プロジェクトの作成では出てこなくなったのかなと思い、通常のUMLプロジェクトを作った後で、プラグイン適用をしてみることにしました。UMLプロジェクト作成後、トップモデルを選択し、Profile 適用をしようとした画面が以下となります。

うーん、やっぱり入ってなさそうですね。。。

なので、これまでと同じく Market Place をインストールし、Papyrus向けのプロファイルプラグインを別途導入する形で進めようと思います。

Market Place のインストール

これもこれまでと同じく Papyrus RCP版では Market Place の選択メニュー(これもプラグイン)が導入されていないので、追加インストールで導入していこうと思います。これまでの記事と同じく Install New Software で Marketplace Plugin を導入していきました。

Market Place インストール後、プラグイン検索画面で sysml で検索した結果が以下となります。

うーん。。。既存の SysML1.4 しか見当たりません。他にも Papyrus 等のキーワードで試してみましたが、やはり見つかりませんでした。

SysML1.6 プラグインへの結論

最終確認というわけではありませんが、今回の Papyrus 4.4.0 の最大の特徴は SysML 1.6 対応 みたいですが、まだ同プラグインは準備できていないのではと思います。またプラグインの存在(リリース?)が確認できたら報告させていただこうかと思います。なお Model2Doc も明確には見当たりませんでした。全てについて、もう少し待ってみて、情報が確認できてから 4.4.0 に移行した方が良さそうです。

2019/06/22

Papyrus 2019-06 release (4.4.0)

リリース概要

Eclipse 2019-06 の 6/19 のリリースに合わせて、 Papyrus 2019-06 (4.4.0) もリリースされました。 本リリースの詳細は ここに、 ダウンロードは ここから可能です。

Eclipse 2019-06 のリリース直後に Papyrus の Jenkins を覗いてみたら、まだビルド失敗を受けた再テストの真っ最中だったのですが、 その後、テストを通った所まで確認できたので、そろそろリリースかなと思ってたら、 早々にリリースされました。

Papyrus 2019-06 の特徴

最大は SysML 1.6 への対応でしょうか。 メーリングリスト等で Papyrus / SysML Profile の問題点等も指摘されていたので、 その対応を含むのかなと思います。とはいえ、 OMGのサイト情報 によると SysML 1.6 はまだ beta ステータスなので、少し踏むこんだ対応に思えます。 具体的な対応内容については上記のリリース詳細がかかれたサイトで確認できます。 個人的には、 SysML は Papyrus のプラグイン(Profile)の1つなので、 それが Papyrus のリリースの最大の目玉になっている理由が気になる所です。 また動かして試してみようと思います。

その他には LibreOffice の Writer(odt) に向けた Model2Doc もあるみたいです。 LibreOffice Writer に落ちれば、そこから Microsoft Word の docx や、 pdf直接の出力なので、どのような感じかまた試してみたく思います。

後はやはり Papyrus プラグイン向けの対応が多い印象です。

どちらにしても最近のリリースは少し難産だった印象があるので、 Eclipse のリリースと共に、ほぼオンスケで Papyrus もリリースされるようになり、 色々と安定してきたのかなとの印象もあります。開発者の皆様に感謝です。

2019/06/05

UML Profile の適用方法

はじめに

前回の UML Standard Profile の記事を書いた後でふと気になり、 これまでの記事を見直して Profile 適用方法について書いてないことに気が付きました。 そのため Papyrus における Profile 適用方法について書いておこうと思います。

モデルへのProfile適用

最初にすでに何かしらの Papyrus UML モデルが作成されていることを前提とします。

また一般に、作成するモデル全域にプロファイルを使用可能としたいケースが多いと思いますので、 それを前提として話を進めます。

まず最初に Model Explorer 上で最上位のモデル要素 (それは Model となります。 この記事を参照下さい)を選択します。 こんな感じです。

その後、右下の Properties タブから Profile を選択します。

この Profile applications の所で適用するプロファイルを選択する操作となります。

その右上の所に列をなした操作ボタンが見て取れると思います。

このボタン列は左から、適用するプロファイルに関する以下の操作が行えます。

  1. Apply profile -- ユーザが作成した Profile の適用
  2. Remove selected elements -- 選択したプロファイルの適用を解除します (プロファイル適用後の操作となります)
  3. Apply registered profile -- Papyrus に登録されているプロファイルを適用します

今回は Standard Profile の適用を考えるので3番目の Apply registered profile で説明します。 1つ目の Apply profile はユーザ作成プロファイルの説明を行う際にまた説明しようかと思いますが、 適用するプロファイルの選択方法だけの話なので、プロファイル適用後の各モデル要素へのステレオタイプ適用のやり方は同じです。

3つ目のボタン Apply registered profle (ボタン上にマウスをあてて少し時間をおけば本文字列が表示されます。 なおこのボタン上のアイコンが何を示しているのか、すみません、理解していません。。) をクリックします。 そうすると以下のダイアログが表示されます。

Eclipse Marketplace からどのような拡張機能を導入しているかにより表示されるプロファイルは異なりますが、 色々と魅力的なプロファイルが registered されているのかが見て取れます。

今回は Standard Profile の適用で進めていくので Standard と表示されているプロファイルを選択し OK をクリックします。 そうすると Profile applications が以下のように変化するかと思います。

これでモデルへのプロファイル適用は完了です。この後、モデル要素に対するステレオタイプ適用について説明します。

モデル要素に対するステレオタイプ適用

モデル要素に対するステレオタイプ適用はダイアグラムベースで行うことが多いかと思いますので、 ここではクラス図を元に説明します。今、以下のようなクラス成果物 (Artifact)、およびモデル (Model)が 作成されているとします。

ここでクラス (Class)に対してステレオタイプを適用するとします。 まずはクラス図上で本モデル要素 (クラス/Class) を選択し、その下の Propertiesタブの Profile を選択します。

Applyed stereotypeという表示になっているかと思います。 ここで[+]ボタン(Apply stereotype)をクリックします。 すると以下に示すダイアログが表示されます。

左側に対象とするモデル要素に適用可能なステレオタイプが表示されます。 どのモデル要素が対象となるかはステレオタイプ定義の際に規定してあるのですが、 前回のStandard Profileの記事の表では 適用先と表示された列が該当し、今回では Class と記載されたものが対象となります。

今回は «Auxiliary» を選択し、右向きの矢印(⇒)をクリックすることで Applied Stereotype に移動します。

そしてOKを押すと対象とするモデル要素にステレオタイプが適用された表示となります。

クラス図上で «Auxiliary» が適用されているのが見える化と思います。 また Propertiesタブの Profile の所にも選択したステレオタイプが表示されています。

ステレオタイプに属性が定義されている際には、この Properties/Profile の所で設定ができるのですが、 今回は特に指定されているものがないので説明を割愛します。 また自身でProfile定義を行った際に使い方、およびクラス図上での表示のさせ方を説明しようと思います。

同じく Artifact および Model のモデル要素にもステレオタイプを適用してみようと思います。 各々を選択して、同じく Applyed stereotype を選択するとArtifactおよびModelの順に以下のダイアログが表示されると思います。 モデル要素毎に適用可能なステレオタイプが選択されているのが見て取れます。

そして最終的にはこのようなステレオタイプを適用したモデル(クラス図)となりました。

細かな部分で説明をはしょりましたが、基本的なプロファイル適用操作はこのようになります。