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2020/06/10

SysML 1.6 でのモデリング

最近、ブログを訪れる方で SysML に関するページを見られている方が増えています。

検索サイトから来訪される方でも SysML をキーワードとして検索され、このブログにたどり着かれている方も多い様に思えます。

前に書いた記事「SysML 1.6 プロファイルのリリース」ではSysML 1.6 Profile の簡単な紹介をしていますが、SysMLで実際にモデルを書いてみたいという方に対して少し丁寧にご紹介したいと思います。特に Papyrus RCP 版を使用されておられる方だと
「どうやって SysML Profile を導入するの?」
という所から困る方もおられるかもしれません。過去の記事には色々と書いていますが、SysML 1.6 でのモデリングという観点でこの記事でまとめてみます。

SysML Profile の導入がわからない方

Papyrus RCP 版を使っておられる方からすると、そもそも SysML のプロファイルを導入する所から不明なことがあるかもしれません。

導入の仕方は幾つかあるのですが、今後も含め様々なプラグイン導入による利便性を向上させる手段として、
Marketplace
から導入する方法をご紹介したいと思います。

Marketplace とは、有償・無償を含めて Eclipse Project 下で直接開発しているプラグイン以外のプラグインをEclipseに導入可能とするプラグインです。Marketplace プラグインを導入すると「Help」からのドロップダウン上に
Eclipse Marketplace...
というメニューアイテムが現れます。


Papyrus RCP 版の初期状態では Eclipse Marketplace はメニュー上に存在しません。この Marketplace を導入するためには、まず、上記ドロップダウン上にある
Install New Software...
から始めます。

Install New Software を選択すると、
Install
という名前のダイアログが上がってくるので、そこで

  • Work with: で 2020-03 - http://download.eclipse.org/staging/2020-03/ を選択
  • type filter text と書かれている所に Market とでも入力

すると、以下の様に
Marketplace Client
が選択されるので、それをチェックし、Next> で進みインストールを行います。


その後、再起動が促され、再起動後にHelp メニューから Marketplace が選択可能となります。

Eclipse Marketplace からの SysML プロファイルの導入

Marketplace を開くと各種プラグインを検索出来るダイアログが上がってくるので、ここで
Find
の所に
papyrus

と入力し、[Go]ボタンを押すと、Papyrus に関連する様々な導入可能プラグインが表示されます。


これで SysML プロファイル(SysML の Papyrus 向けプラグイン)である
Papyrus SysML 1.6 1.0.0
を見つけることが出来ます。

そして「Papyrus SysML 1.6 1.0.0」にある [Install] ボタンを押すとプロファイルがインストールされます。

なお上記のダイアログ表示では、現在使用中の環境では既にインストール済であるため [Installed] と表示されています。

これで SysML モデルの作成が可能となります。

SysML モデルの作成

SysML プロファイル(Papyrus 向けプラグイン)を導入すると、これまでの Papyrus プロジェクト/ Papyrus モデルの作成ダイアログにおいて

  • Systems Engineering
    • SysML 1.6

が選択可能となります。


SysML 1.6 をチェックしてモデルプロジェクト/モデルファイルを作成すると、Papyrus 上で SysMLのダイアグラムやモデル化要素を用いたモデル化が可能となります。

SysML 1.6 モデルでのツール操作系(俯瞰)

Papyrus のメニュー等における操作系がざっとどのようになっているかを紹介しておこうと思います。

自分は Model Explorer の所からダイアグラム作成やモデル作成を行うことが多いので、Model Explorer 上のマウス右クリックで表示されるメニューを紹介します。

まずモデル化要素の選択としては、

  • SysML 1.6 Child
  • UML for SysML 1.6

の2つに別れて表示されます。前者は SysML で新たに導入された要素(ステレオタイプ)、後者は SysML仕様書上で「UML4SysML」と称されている UML から SysML に直接導入された要素となります。

まず SysML 1.6 Child はいわゆる「Node」ですが、以下の要素が選択可能です。SysMLとして良く目にする要素が並んでいます。


SysML 1.6 Relationship はいわゆる「Edge」ですが、以下の要素が選択可能です。



UML for SysML 1.6 では以下の要素が表示されます。どのような要素が「UML4SysML」として使用可能であるかは SysML仕様書で説明されています。

UML for SysML 1.6 (Node です)


UML for SysML 1.6 Edges (Edgeです)


また、SysML に特化したダイアグラムは、
New Diagram
のメニューから表示されます。これも SysML でよく見るダイアグラムが並んでいます。


また
New Table
のメニューから SysML でモデル化を行う際に有用な「表」が作成可能です。SysMLの仕様書を見ると表形式も積極的に推奨されているような印象を受けます。


ざっと、そのような感じです。

UML自体をその記述のベース言語とする一般的なUMLプロファイルよりは、専用モデリング言語として特化した操作系として各種モデル作成が行えるようになっています。

SysML 向け Papyrus となる細かな使い方やTips、また和集合として 「SysML OR UML」 となる使い方については、またご紹介出来ればと思っています。